ニューヨークの新聞記事から「インターネット普及による paradigm shift」を考察します。

Barnes & Noble Planning Big Push to Increase Nook Sales
7月30日(金曜日)付けのThe New York Times紙ビジネス欄広告業界 (Business Day, Advertising)は、米国最大手の本屋チェーンが電子読書機の販売に本腰を入れ始める事を伝えています。
全米に720店舗を持つBarnes & Noble社は、9月から店舗内に自社の電子読書機Nook販売コーナーを拡大設置、デモ機を多数用意して店舗を訪れた顧客が実地テスト出来る戦略を開始すると発表しました。
現時点で、ライバルのAmazon.com社のKindle電子読書機は200万台、Barnes & Noble社のNook機は60万台が市場に出回っています。Amazon.com社がonline専門のため、Barnes & Noble社のWilliam Lynch社長は、『アメリカ人顧客は実際に自分の手にとって商品を試したがるの(ので、我が社に利あり)』と、強気のコメントを出しています。
機能や機種によって値段が異なるため、単純な比較は出来ませんが、アバウト1万5千円から2万円前後で販売されています。
6月の時点で、Amazon.com社が電子読書機の価格下げを行い、これに対抗してBarnes & Noble社も価格値下げを敢行しています。2日前の時点で、Amazon.com社は間もなく1万円に近い読書機の発売を発表しています。
米国の小売り業界はクリスマス商戦だけで年間売り上げの1/3をあげています。今年末のクリスマス商戦では、上述の2社の他にApple社のiPad電子読書機も巻き込んで、猛烈なeBook読書機販売戦争になりそうな気配です。いづれにせよ、紙の書物から電子本への移行はしっかりと始まっているようです。

Get the baby in 3D
7月30日(金曜日)付けの大衆紙New York Post金曜日テレビ欄(TV Friday)は、パナソニック社が世界初の消費者向け3-Dビデオカメラ発売を発表した事を伝えています。『貴方の赤ちゃんを3-Dで撮影しましょう』という記事タイトルになっています。
テレビ欄で紹介された理由は、ハイデフTV受像機の後がま商品として3-Dテレビ受像機が控えており、その用途の一貫として「家族が撮影した3-Dビデオ映像が見れます」という側面を捉えているからです。
機種名はHDC-SDT750で、発売は10月、販売価格は15万円となっています。普通のハイデフ映像も撮影出来、3-D撮影の際はそれようのアダプターを付ける仕掛けになっています。カメラ前1メートルから3メートルの距離にある事象や人物が最も「立体感」を得られるように設計されています。音声のほうもカメラ内に5つのマイクが内蔵されており、立体音声用の5.1チャンネル音声再生システムに適応するよう設計されています。3-Dビデオ映像の編集ソフトも無料提供されると報じられています。
世界初という事で、この機種についで次々と他社の3-Dビデオカメラの登場が予想されます。
3-D映像は社会に益々バーチュアル・リアリティー化をもたらします。よしも悪しきもリアリティーの水平線がデジタル革命で広がりを見せているのは事実のようです。

E-Books Top Hardcovers at Amazon
7月20日(火曜日)付けのThe New York Times紙ビジネス欄(Business Day)は、e-books(電子書籍)の成功振りを伝える記事を載せています。
具体的には、米国最大手のonline書籍販売サイトであるAmazon.comで、eBookが既存の書籍(雑誌ではないハードカバー類)の販売数を遂に越えたーーという内容です。ここ3ヶ月間で、ハードカバー書籍100冊の販売単位で比較するとeBooksは143冊売れているという訳です。出版会社にデジタル出版をアドバイスする専門会社the Idea Logical Company社のMike Shatzkin社長は、『遂に来るべき日が来たという訳だ。(従来の紙の書籍の)重量感やかび臭さを大事に思う読書家たちは現実に目を向けるべきだ。10年以内には全出版書籍の25%以下が「紙の書籍」になるだろう』と、コメントを出しています。Amazon.com社の創立者で現総指揮官であるJeffrey P. Bozos社長は、『我が社は15年間、(紙の)書籍を販売して来た。(電子書物を読むための)Kindle電子読書機は市場に出して(僅か)33ヶ月だ。これを考慮すると、(この変化は)驚異的な事だ』と、述べています。
以上の数字は、Amazon.com社が開発発売している電子読書機Kindleで購買された電子ブック数です。現在は、様々なスマート携帯電話類、BlackBerry、iPhone、これに販売開始で300万台を売ったiPad機などで有料ダウンロードされたAmazon.com社のonline電子ブックを含めていません。これらを含めると、電子ブックス販売数が紙の書籍販売数をどれだけ現時点で越えている可能性が十分憶測出来そうです。
現在、米国最大手の本屋チェーンであるBarnes & Noble社も自社開発販売の電子読書機Nookの販売に躍起になっています。従来の社長が後退、電子書物部門の担当者が急遽新社長に就任した事は、このブログでも報告済みです。
米国の出版業界は大きな転機にさしかかっている事が、遂に数字で現れたーーという記事です。

iPhone 4 glitch spurs new slap: Not recommended, Consumer Reports says
7月13日(火曜日)付けの大衆紙New York Postビジネス欄(BizNews)は、アップル社の新製品iPhone 4携帯電話に技術欠格があるという巷の噂に加え、権威のある消費者向け雑誌も「技術的問題がある」という記事を載せた事を伝えています。
発売から僅か3日間で170万台という驚異的な売れ行きを博したiPhone 4ですが、その後利用者から通話が途中で切れてしまう(lose the connectionやphone calls are dropped abruptlyと表現)という欠格があると苦情が相次いでいます。アップル社としては、『どんな携帯端末でも、持ち方次第では通話が切れてしまう事はある』と言い訳してきましたが、最近は、『電波が弱い所でも「強い電波地域」というアイコン表示が出てしまう(不完全な)ソフトが搭載されている為で根本的な設計ミスではない』という説明を始めた所です。
これに対して、昨日の時点で権威のある消費者向け雑誌「Consumer Reports」が、『様々な使用テストをした。AT&T社のネットワークに問題がある訳ではなかった。同じAT&T社の電波網で同じ電波状態で、Apple社のiPhone 3GS (iPhone 4の前の機種)とPlam Pre携帯端末では通話の途中切れが起きない時に、iPhone 4では通話切れが起きる事があった。(従って、iPhone 4機種自体に技術問題があると言わざるを得ないので、恒久的な設計改造が施されるまでは買う事を推薦しない)』という記事を発表。今日の新聞各紙で取り上げられた次第です。
iPhone 4携帯末端機が、発売する商品がすべて驚異的なヒット商品になり続けて来たアップル社の最新商品だけに、このようなニュース扱いになったと言えます。

Apple of Mike's Eye: Sleek iPad is Hizzonor's best (tech) friend
7月12日(月曜日)付けの大衆紙The Daily Newsは、NY市長がアップル社のiPadを愛用している事を伝えています。
写真中央の男性がNY市長のBloomberg氏です。膝に乗せているのがiPadです。
先月にiPadを購入、今や昼夜を問わずiPadを利用している事をこの記事は報じています。先週、NY市を公式訪問中のイギリスのエリザベス女王に謁見した際にも、Bloomberg市長の手にiPadが持たれていた写真が報道されています。
Bloomberg市長のiPad利用は、(1)公式演説の原稿をiPadに入れて、それを読み上げる(演説直前まで演説内容に手を入れられる長点がある為)、(2)スタッフが準備した書類(briefing materialと表現される)をiPadで目を通す、(3)愛読している雑誌をiPadで読む、(4)読書をiPadでする(最近の読書はJoe Flood著のThe FiresとDaniel OkentのLast Call:The Rise and Fall of Prohibition),(5)訪問先に行く交通路の混雑振りをGoogle mapsで常にiPadでチェックするーーなどが挙げられています。
Bloomberg市長は、iPadを愛用するだけでなく、Apple社の総指揮官Steve Jobs氏にも直接電話を入れ、『(今の現行機でも素晴らしいが)、これを更に改善出来るとしたら本当に凄いね(really be amazingと表現)』と伝えた事を、公表しています。
市長のスタッフは、プリントした紙の書類もバックアップとして用意はしていますが、市長は先月の市民との対話で基本的にペーパーレスで市長の職務を遂行する事を公言しています。Bloomberg Newsを創立した人物だけに、電子テクノロジーには公私ともに「本気」であると言われているBloomberg市長です。オバマ大統領がスマート電話であるBlackBerry携帯端末を大統領になってからも手放さなかった事は有名ですが、今はiPadという映像主体の電子機器が政治家のトップにも浸透し始めている事を示唆する記事と言えます。